2017年のユーロ圏は選挙がいっぱい!12月8日のドラギ・マジックの今後は?
少し前ですが、2016年の12月8日のECBの政策発表では、プチ・ドラギ・マジックがさく裂しました。市場関係者は、発表される数字を見て「あれ?テーパリング?」とユーロ買い、その後記者会見が進むのと、よくよく資産買い入れ額を計算すると「テーパリングじゃない!」と今度はユーロ売り、なんて忙しいことに。
テーパリングは「量的緩和」をだんだんやめていくこと、だったですね!
国債などの買い入れを増やしていたけど、それを減らすので、通貨の価値は上がります。でも、ECBは「買い入れ額を800億ユーロから600億ユーロにする」と言いました。
それって、テーパリング?!
この記事の目次
それでテーパリングなの?どうなの?
それでは、12月8日のECBの内容をチェックしましょう!
焦点は、資産買い入れ時期を延長するかどうかだったのに?!
ECBは、リーマンショックの後、利下げ、利上げ、国債買い入れ、国債買い入れストップ、国債買い入れ再開、といま振り返ってみると苦しそうな金融政策を続けていました。
でも、2012年のドラギ総裁の「ユーロを守るためなら何でもする」という言葉でなんとかみんな乗り切ったのかもしれませんね。
「きゃべつを守るためなら何でもする」とか言われてみたいけど。
さてさて、クラッシュしたユーロ圏の経済状況がなかなか救われず、2015年1月22日には「月額600億ユーロの国債買い入れ型のQE」(資産買い入れプログラム)を3月に始めると発表し、スタートしました。
このときの期限は、2016年9月。
しかし、2015年12月になると、これを2017年3月まで延長すると発表します。
この時点では、ぜんぜんテーパリングじゃなかったのですが!
ちょ、ちょっとまとめないと!
ややこしいので、時系列で「資産買い入れプログラム」のことだけまとめますよ!
枠
2015年1月22日 「3月から資産買い入れプログラムをやるよ~」とドラギさん。月額600億ユーロを2016年9月まで。
2015年12月3日 「それやっぱり2017年3月までに延ばすよ~ん」とドラギさん。
2016年3月10日 「600億ユーロだったけど、800億ユーロに増やして、ますます緩和するよ~」とドラギさん。
★ここでみんな「そろそろ、買い入れ額を減らすんじゃない?」「期間延長は6か月くらいあるよね!」と考え始める!
2016年12月8日 「じゃーん!600億ユーロにしちゃうもんね~♪」とドラギさん。
★みんな「やっぱテーパリングだ!買い入れ額が減ったもん!」でユーロを買った!
2016日12月8日 「あ、でもね、期間を9か月延長するよ~ん♪」とドラギさん。
★ズッコケたみんなが「違う違う!テーパリングじゃないじゃん!ユーロは売り売り!」とユーロ売られたw
どうしてユーロ買いからユーロ売りになったのかな?
今回、12月8日のECBでは、この「2017年3月」の期限があと6か月延長されると予想されていました。その予想があるので、ドラギさんが最初に「600億ユーロに減らしちゃうもんね」と言ったとき、買い入れ額は減っているのでテーパリングだと判断したんですよね。
その後、期間延長が予想より長いので「あれれ?」ってみんな掛け算をはじめたのです。
枠
★みんなの予想=6か月xドラギさんが発表した600億ユーロ=36億ユーロ
★実際の買い入れ額=ドラギさんが発表した9か月x600億ユーロ=54億ユーロ
「買い入れ額増えてるやん!」
これで、市場参加者みんなのポジションが一気に反転。見事なドラギ・マジック(プチ)だったのです~。
最初に買われた理由は、米国との金利差だよ
もしECBが資産買い入れプログラムの額を減らすと、国債が買われる数が減るということですから、金利が上がります。
そうすると、米国との金利差が小さくなります。
売られていたユーロも、それで買い戻されると考えられました。
だから最初はユーロが買われたのです。
選挙だらけで、ごっちゃごちゃな今後のユーロ圏
ユーロがパリティ割れ(ユーロとドルの比率が1:1よりも低くなってユーロが小数点以下になること)になると騒がれています。
波乱のネタがいっぱいあるのです。
ユーロの波乱ネタ一覧
私がラジオやテレビを見てメモしたやつだから、みんな各自確認してください!
来年のユーロ圏の選挙!
2017年?月 イタリア総選挙?(レンツィ首相は6月と発言)
3月15日 オランダ総選挙
4月?5月? フランス大統領選挙
6月 フランス議会選挙
9月ごろ? ドイツ議会選挙
もういつ何が起こるかわからない!
まとめ
こうしてまとめてみましたが、見ているだけで倒れそうな忙しさ。
いつどの国で何がおこるかわからないけれど、冷静に相場に向かい合っていきましょう~( ;∀;)
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