最近のトランプ大統領まとめ(大統領演説後のドル円相場)
毎年、新年あけてから日経平均やらドル円やらに試練がおとずれてるや~ん。
でも、お祭りはいったん収まった感もある1月の後半。
メイ首相の演説、ダボス会議、トランプ氏の就任前の記者会見、そしてトランプ大統領の就任式が終わりました。正直、だからといってドル円に方向性が出たわけでもなく、肩透かしになった気が。いちおう流れとどんな影響がありそうか書くよ~。
この記事の目次
2017年1月11日の記者会見から1月20日の就任まで
振り返れば一番相場が盛り上がったのは、11月8日の大統領選でダークホースであったポピュリズム(大衆迎合)候補者、トランプ氏が当選した後のドル円や株式の急上昇だったですね。
相場ってそんなもんですよね。期待が一番、動くんでしょうかやっぱり。
1月11日の記者会見では「いつもの暴言男」で終わった
大統領選が終わった後、マスコミ嫌いなトランプ現大統領は、1月11日に初の記者会見を予定していたものの、それまでバシバシとTwitterでつぶやきまくっていました。
そして、記者会見当日、選挙戦で公約として叫んでいた内容とほぼ同じ事を話した後、トランプ批判とヒラリー支持をしていたマスコミCNNと口論をして終わり。いつもの暴言男で終わり。
ドル円は、1月6日の雇用統計が比較的良かったのと、まだトランプラリーに期待する人が居たのか、週末は陽線で引けました。それにダラス地区連銀のカプラン総裁の利上げ強気発言なども期待感を強めていました。
でも週明けから毎日陰線引けが続き、イエレンさんの発言が強気だった17日にやっと少しドルが上昇。
112.50でピタッと下げ止まったので、日本の機関投資家とかいろいろと買い支えたのではといわれています。この112.50ってちょっと覚えておきたいですね。
1月20日にはとうとうアメリカ第45代大統領の就任式
日本では深夜になる就任式だったのですが、起きて見たという人も多かったです。通訳つきでNHKの地上波でやっていましたね。見ていた人は、「感動しちゃった」という意見もあり、大国の大統領の就任という記念すべき式典は格が違いますね。
しかし20日を過ぎ、翌週の22日月曜日にはドル円は下がってしまい、週明けで先に開くアジア市場もイマイチ。日経平均は就任直前にせっかく19,000円台に戻していたのに、下落し月曜の終値は18891.03円でした。米株もダメでした。
トランプ大統領の就任直後に、公約通りTPPからはさよう~なら
トランプ大統領は就任後の23日月曜日、大きな初仕事が「3つの大統領令に署名」というもの。
ほんとうにTPPからの離脱方針にも署名してしまいました。
大統領令ってなに?
これはウィキペディアさんよろしくお願いします。
アメリカ合衆国大統領が、連邦政府や軍に対して、議会の承認を得ることなく、行政権を直接行使することにより発令されるアメリカ合衆国の行政命令。
というわけで、今回は上院下院ともにトランプ大統領と同じ共和党とはいえ、議会を無視して命令できちゃうぴょーん!という大統領令。いちおう、議会は反対するような法律を作って対抗することもできるのだそうです。しかし、やんちゃ不動産王だったトランプ大統領に通用するのかどうかは、わかりません。下手するとモメそうです。
1月23日にトランプ大統領が署名した3つの大統領令はコチラ
- TPPからの離脱方針
- 連邦政府の職員の採用凍結
- 妊娠中絶を支援する国際団体への資金援助の停止(連邦政策の再開)
連邦政府の職員の採用凍結というのは、職員が自然に減っていくのに任せるということらしく、人件費の削減を目指すようです。
妊娠中絶のなんとか、というのがややこしいです。バタバタした後にオバマ政権では資金援助をしていたけど、トランプ政権では資金援助をしませんということらしいです。共和党もトランプ大統領も妊娠中絶には反対の立場で、これまで「民主党が援助スタート」「共和党が援助停止」の繰り返しだったのだそう。
で、今回の「停止」は「メキシコシティ政策」と呼ばれているそうです。
とりあえず、直接、為替には関係ないかもしれません。でもTPPは、米国以外の国が自由に米国でモノを売って稼ぐのを妨げるので、それらの国の株価には影響出て来そうですね。あと北米自由貿易協定(NAFTA)はすぐやめるのではなく、最交渉をはじめるとのことです。
あと、よくアナリストの人なんかが「いくらトランプが派手な政策するって言っても、議会を通さなきゃいけないんだからすぐどうこうって事はないよ」的に発言されていますが、それは確かにそうなのですが、大統領令っていう手段があることを忘れているとマズイ気がします。
(この後、1月24日にはキーストンパイプラインとダコタアクセスパイプラインを作る大統領令に署名、ダコタアクセスパイプラインはアメリカ原住民の居住区があり、問題になりそう)
トランプ大統領、いいこと言ってる1月20日の就任演説
もうNHKオンラインで、大統領の就任演説の全文が日本語になって載っています。意外と良いこと言ってるので、確かにリアルタイムで聞いた人は感動したかも。
リンクはここ。すぐ消されちゃうので読みたい方は早めに読みましょう。トランプ大統領は基本、難しいことは言わないので、簡単に読めます。
トランプ大統領就任演説の超ざっくりな箇条書き
・ヒラリー氏などへの感謝の言葉、オバマ夫妻は素晴らしかった
・私たちは今日、権限を首都ワシントンの政治からアメリカ国民に返す
・仕事がなくなり、工場が閉鎖された国民へのお祝いの日、この瞬間は皆さんのもの
・彼らの(ギャングや犯罪に苦しむ人々の)夢は私たちの夢、彼らの成功は私たちの成功
・アメリカは外国の産業を豊かにし、軍は外国の国境を守ってきた(アメリカの富が外国に再分配されてきた)
・この瞬間から、アメリカ第一となる。アメリカは再び勝ち始めるだろう
・雇用を取り戻す、国境を取り戻す
・新たに道路などを作る
・イスラムのテロを地球から完全に消す
・黒い肌も、褐色の肌も、白い肌も、私たちは同じ愛国者
・アメリカを再び安全な国にする、再び偉大にする
太字は、経済に直接ひびきそうなものです。
聖書のことばも使い、ちゃんとした演説みたいだけど
差別発言が取りざたされたトランプ大統領ですが、最後のほうで肌の色を問わず、赤い血が流れている仲間なんだと言っています。
キリスト教の国ということもあって、聖書の言葉も引用しながら国民に期待を持たせるようなことも話して、言われるほどひどい演説とは思わなかったです。特に目新しい政策をここで発表するとかもなかったので、ドル円や株は材料不足だし、これまでじゅうぶん上がったので結局は利益確定みたいな動きになりました。
反対派が街で暴れ、スターバックスのガラスが割られる動画が何度も流れましたし、反対派のデモも人が集まったということでした。その反面、大統領就任式にも多くの人が集まっていて、どう捉えたらいいのかちょっと混乱。
トランプという「マスコミを熟知した人」VS面白くしたいマスコミ
大統領就任後、翌週の月曜に大統領令に署名したとき、大統領執務室のカーテンがトランプ色?のゴールドに変更されていたとテレビ東京でやっていました。それから、トレードマークの髪型は変わらないのですが、顔のファンデーションが薄くなり、いつも赤だったネクタイが真面目そうなブルーのストライプになっていました。
この「見た目」とかを操るのがうまいなと思ったことがいくつかありました。
幸せなアメリカを思い起こさせる、家族の使い方とか話し方とか
トランプ大統領は、娘のイヴァンカさんをはじめ、ポイントになる行事では必ず家族が一緒に映るように並び、特に末っ子のバロン君はいつもすぐ隣にいるようにしています。バロン君はビジュアル的にも少年で可愛く、人々の共感を誘います。
ビジュアル的には、お金持ちの美男美女の大家族のイメージがあり、大昔の、夢いっぱいのアメリカ映画やホームドラマを思い起こさせます。
また、大衆に話すときは庶民的な言葉や簡単な単語を使い、シンプルな文法で話します。外国人にもよく聞き取れます。より多くの人に言っていることがしっかり伝わるような話し方です。
マスコミ対トランプは、大統領選でトランプが勝ったのですね
以前は、テレビ番組のMCも務めていたというトランプ大統領、「見せ方」「これをすれば、見た人はどう感じるか」を熟知して計算のうえでやっているようです。
反面、大統領選でヒラリー氏を押していたCNNをはじめとしたマスコミは、プロなのにイメージ戦略でも負けてしまったということになるのかもしれません。ただし大衆がトランプ指示にだけ偏っていないのは、独裁になりにくくちょっと安心。
トランプ大統領が有言実行なんだけど
TPPやめると言っていたら、さっそくやめるし、今のところ有言実行です。
普通、政治家って選挙前と当選後とでは言動が一致しないのですが、ここはすごいですね。
で、ドル円とか為替なんだけど
テレビの地上波などは、どうしても反対デモなんかが画的に派手で視聴率も上がるというので、何度も流すということがあるのだそうです。そればかり見ていると、「ドル円ももう下がるのかな」と考えてしまいますが、実際にはまだ日本の機関投資家のヘッジ外しなどが終わったかどうかもわからず、今回のように112.50あたりが固そうです。
ドル円が強くなりそうな理由
昨年の11月8日からのドル円の強さが終わったかどうか、わかりませんが強くなりそうな理由です。
・米経済指標はのきなみ良い
・最近の大手企業の決算はほぼ良い(単純にドル高というわけでもないのですが)
・FRBがイエレン議長をはじめ利上げに前向き
・税率が下がれば、米企業が自国にドルを戻す
あと、鴻海なんかが米国にシャープの新工場を建設するとか言ってますね。得をしたいので、企業はトランプ大統領のご機嫌を取ることが多いようです。資本が米国に集まってくると、両替しないといけないのでドルは上がりそうですね。
ドル円が弱くなりそうな理由
・1月終わりから2月初めに中国の春節があるので、相場が閑散とする
・2月から日本企業の円転がある(決算が近づくためで円高要因)
・トランプ大統領が、日本の自動車産業に苦言を呈している
・ムニューチン氏「過度に強いドルはマイナスの影響を与える可能性がある」と発言(23日)
トランプ大統領は、中国元を上げていましたが、ドルが強くなることへの懸念も話していましたね。
こんなところですね。発言ですぐ反転して、トレンドもどっちかわからなくなっているので、気を付けていきましょう。
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